制作の動機
600mm×300mmのサイズのTOMIX製コンビネーションボードAに、ローカル駅を再現します。ほかのレイアウトと繋げて走行できるようにします。好きな車両のひとつであるオハユニ61が発売されて、それに似合うレイアウトが欲しくなったことが制作のきっかけです。かつて国鉄の非電化ローカル線にあった典型的な駅をめざします。時代設定は自分が国鉄全線の完乗を目指していた昭和50年代です。設計
まずは線路配置を決定します。両端にポイントを配置すると、2両編成の列車でもボードに収まりません。広いスペースを必要とする駅のどの部分を切り取るのかですが、一つの案として駅の端を再現する方法があります。列車の先頭に立つ蒸気機関車を眺めたいのであれば良いかもしれませし、ポイント通過時に列車が左右にカーブするのも魅力です。
したがって、私が採用したのは駅の中央の部分です。単線で行き違い設備のある駅のイメージのはずですが、レイアウトはポイントの無い複線です。一方で、他の複線モジュールと接続しやすいという利点もあります。
また、このように目の高さで斜め前方から車両を眺めることが好みです。
制作開始直後、これまた好きなEF80が発売されました。さらにローカル線としては飯田線の旧型国電も走行させたくなりますが、電化して架線柱を立てるとイメージが変わってしまうので、いろいろな列車を走らせたいという欲望を抑えて、当初の予定通り非電化とします。
製作の流れ
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線路(1)
塗装
レールの金属部分が光っているのは好ましくないので、枕木部分をマスキングしてスプレー塗装します。その後、通電不良にならないようにレール上面に付着した塗料を割り箸などで剥がします。
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線路(2)
バラストを撒く準備
架線柱のベースを使用して複線間隔を保ち、ベースボードに固定します。線路の間はバラストを節約するために嵩上げします。線路に接しているプラットホームと踏切を固定します。
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線路(3)
バラスト撒き
茶色系の製品を数種類用意して、小さいスプーンで撒いて、筆でならします。固着にはモーリン製のスーパーフィックスを使用します。木工ボンドの水溶液と違って、中性洗剤を撒かなくても浸透していきます。
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線路(4)
貨物ホーム
線路は錆に近い色に塗装しています。実物はバラストが疎らで、土に埋もれています。よって道床付き線路をレイアウトに固定する前に、モーリンの土職人という製品を枕木や道床に塗っておきます。線路をレイアウトに固定した後にバラストを少し撒いて、さらに茶色のペンで描いた箇所もあります。
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線路(5)
踏切
旅客が線路を横断するための通路で、通行しない時は、階段部分は鉄板で蓋をしてあります。
踏切の板はバラストと同じように汚れるはずですが、人が通る中央部分は汚れが剥がれると思われるので、薄い色に塗装してあります。 -
プラットホーム(1)
実物観察
画像は越美南線ではなくて、長良川鉄道の富加駅です。大切なのは、舗装は全体には行われていないことと、線路の無い側は側壁ではなくて傾斜していることです。
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プラットホーム(2)
配置
2面ある旅客ホームの両端は、あえて揃えないでずらすなどして、整然とした感じを消すように心がけています。
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プラットホーム(3)
基礎工事
ジオラマコレクションの製品を使用しています。線路に面していない側はバルサ板で土台を作り、プラスタークロスで覆います。
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プラットホーム(4)
塗装
舗装も未舗装もグレインペイントを使用しています。土の色は⑪黄土に筆を入れてすぐに②浅灰に入れ直すことにより2色を混合しています。この製品の利点であるざらつきにより白線が滲むので、何度も塗装を繰り返します。
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建物(1)
駅本屋
駅の規模を考えてジオラマコレクションの製品を使用していますが、閉塞装置のある張り出し室が必要なので、KATOのローカル駅舎のから拝借しています。両社の製品のテイストが異なるので、KATOの方にウェザリングを行って合わせています。
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建物(2)
ウェザリング
ガンダムマーカーの黒(拭き取りタイプ)と砂で汚しています。
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建物(3)
固定
これは便所です。雨どいや壁の一部を塗装しています。置いてある感じを消すために、製品のベースを斜めに削り、グレインペイントを盛り付けています。
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地面の土台(1)
駅前広場
駅本屋やプラットホームと同じ高さになっている場合が多いので、バルサ板で嵩上げします。
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地面の土台(2)
道路
線路やプラットホームが平行なので、それを崩すために斜めに配置しています。スチレンペーパーを使用して、両側を斜めに削っています。
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雑草(1)
単調さを消す
数種類の製品を使用して、高さにも変化をつけます。
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雑草(2)
製品の選択
目立つ場所には比較的高価な製品を使用しています。
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雑草(3)
生える場所
人やクルマが通る場所は土が露出しています。
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雑草(4)
未舗装の道路
四輪車が通った跡を表示するために、中央部には背の低い雑草を残しています。
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樹木(1)
大きな樹木
駅前広場と待合室近くに2本あります。目立つ存在なので、違う製品を使用して変化をつけています。
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樹木(2)
葉の接着
枝の多い製品を選び、茶色に塗装しています。葉はファインリーフフォーリッジを細かくちぎって、向こう側が透けて見えるように接着します。枝の素材が針金なので、曲げることができて作業が楽です。
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樹木(3)
同じ製品
ジオラマコレクションの唐松ですが、高さや葉の量を変えています。
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水田(1)
土台
人工芝の隣に高さの異なる2本の角材がありますが、左は畦道で、右は水路です。人工芝のベースになる黒い部分を隠すことができました。
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水田(2)
水の表現
グレインペイント・アクアの利用です。初めは白濁していますが、乾燥後は次の画像のようになります。
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水田(3)
畦道の雑草
人が通る場所は雑草が薄くなることを意識して、ターフやコースターフを使用しています。
人工芝はオーバースケールなので、今後良い製品が発売されたら交換できるように、固定していません。 -
電柱(1)
市販品の加工
KATOの製品に荒目のヤスリをかけて、ツルツルな感じを消しました。その結果、偶然ですが好みの色に仕上がっています。電柱をレイアウトに固定すると雰囲気が出ますが、今後の作業の邪魔になるので最後に接着します。
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電柱(2)
配置
駅本屋の近くにあるものは腕木や碍子が多めです。どんな方向から見ても垂直になるように注意します。
制作のワンポイント
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建物の配置
シーナリーガイド等を参考にしています。
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人形の配置
プラットホーム全体ではなくて、駅本屋の前に集中的に配置して、メリハリをつけています。
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視界の確保
駅本屋の入口から車両を眺めることができるように、改札口の前は人形の配置を控えています。
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プラットホームの継ぎ目
パテで埋めましたが、継ぎ目が目立ちます。
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信号てこ小屋
装置の数が多すぎる気がします。
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貨物ホームの様子
木屑が散乱しています。
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プラットホームの庭園
センスの無さが表れています。
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貨物ホームの柵
壊れているのを再現しています。
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舗装と未舗装の境界
タイヤに付着した土が舗装路に残っています。
写真集
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