マッターホルン



登山電車

 日本であらかじめ予約しておいたツェルマットのホテルは駅前広場に面していて、すぐ見つかる。部屋に入り、なんとなく窓を開けると、うっすらと雲に覆われてはいるが、鋭く尖った白い山が見える。マッターホルンだ! 3泊すれば一度くらいは見えるだろうと思っていたが、到着したばかりの夕方に、ホテルの自分の部屋から見えるとは!これだけでも大満足だが、眺めが良いとされる橋まで行ってみる。ここでは秀峰のさらに低いところまで見ることができる。
 明日に乗る予定だったゴルナークラートの展望台への登山電車の時刻表を見ると、今からでも往復できる。ただし次が終電。  
 終点まで乗り通して全線走破をしたいところだが、わずか2分で折り返すので展望台へ行く時間すらないかもしれない。したがって一つ手前のローテンボーデンまで行くことにする。乗客は地元の人らしいオジサンと窓口で切符を売ってくれた係員だけ。人気の電車だから混雑はイヤだけれど、逆も淋しすぎる。
 次第に暗くなってくるが、高度を上げるにつれて、マッターホルンが迫ってくる。

 ローテンボーデン駅の周辺には誰もいない。まさにマッターホルンを独り占め。  転んでケガして歩けなくなったりしたら、標高3000m近い場所で何の装備もなく一晩過ごすことになってしまうので、薄暗い中で足元を確かめながら、一歩一歩慎重に歩いていく。夕暮れが暗闇に変わるころ、帰りの電車がやって来る。  通過されないように運転士に存在を知ってもらうために、線路に近いところに立つ。


展望台

 ツェルマットで迎えた最初の朝。   ホテルの部屋からは朝日に輝くマッターホルンが見える。

 ヨーロッパで一番高いクライン・マッターホルン展望台へ行く。  駅前にあるホテルから、ゴンドラ乗り場まで20分くらい歩くけれど、マッターホルンを眺めながらなので気持ちがいい。

 ゴンドラが動き始めるのは8:30頃。観光客に混じって、スイス・ナショナル・ジュニア・チームのような雰囲気のスキーヤー達も列に並んでいる。ゴンドラとロープウェイを3本乗り継いで、どんどん高度を上げていく。
 このあたりの天候は麓のツェルマットとはまったく違う場合が多いらしいが、相変わらず雲一つない快晴。

 終点に到着して展望台へ向かう途中に、高山病防止のために、Don't rashとかMore Slowlyという表示がある。
 モンブランとか有名な山々を眺めることができる。肝心のマッターホルンは分かりづらい。実はヨーロッパで一番高いという看板のすぐ右にある。


ツェルマットから眺める

 マッターホルンの夕暮れを麓の街ツェルマットから眺める。


 三脚は持っていないけれど、ちょうど橋の欄干が良い位置にあるのでカメラを置いて、夜に向けて暗くなるところをブレずに撮影することができる。