氷河と湖


アレッチ氷河

 朝からマッターホルンを眺めるために展望台へ行ったので、昼ごろの列車でツェルマットからブリーク(Brig)へ。ここで乗り継いでフィーシュ(Fiesch)へ。これは前日の氷河急行のルートと同じ。一般の列車なので空いていてのんびりムード。ほかに降りる人がいないので、ドアの開け方が分からず焦る。
 周囲を高い山々に囲まれていて、スイスのどこにでもありそうな平凡な村だけれど、それでも十分に美しい。  ロープウェイを乗り継いでエッギスホルンの展望台へ。  眼下には世界最長のアレッチ氷河が横たわっている。はるか彼方には昔訪れたユングフラウヨッホの展望台がかすかに見える。

 反対側も雄大な風景。  ホテルのあるツェルマットへの帰路は同じルートになるので、さすがに退屈する。

 ディナーは本場のチーズフォンデュを食べたい。通りを歩きながら探すが、結局地球の歩き方に掲載されているレストランに落ち着く。1階がカフェになっていて食事は2階。期待していたチーズフォンデュはかなりクセの強い味。逆に言えば、日本がマイルドすぎるともいえる。Tシャツの人もいるようなレベルの店だが、酒を飲んでいないのに5000円くらいになる。

エッシネン湖

 ホテルでの朝食時間前の早朝6時過ぎの列車でツェルマットを発つ。マッターホルン観光の拠点だけれど、他の場所へ行くには時間がかかる。天候不良のリスクを考えて3泊の予約をしたが、2日続けて好天だったので、ツェルマットの宿泊がかえって負担になっている。

 ブリーク(Brig)までは3日間で4回目の乗車になる通い慣れた道。
 深い渓谷もさすがに見飽きた。
 Brigでサンドイッチを手に入れ、首都ベルン方面のインター・シティーに乗り換える。ここからは初めて乗る路線。10両の長い編成のうえ、始発なのでガラガラ。出発してすぐにドンドン登って、谷を見下ろすようになる。これも素晴らしい車窓。  Kandersteg(カンデルシュテーク)で下車。険しいが美しい山が迫る。  駅から10分くらい歩いてスキー場のリフトに乗る。ロープウェーと違い、待ち時間が無いのが良い。  リフトを降りてから、アルプスのトレイルといった雰囲気の道を20分以上歩く。 ルートは2通りあるが、易しいほうを選ぶ。

 エッシネン湖に到着。地球の歩き方によると、スイスで一番神秘的な湖らしい。確かにレマン湖などの大きな湖とは違って緑色の水面と絶壁の組み合わせが美しい。訪れる人も少なく、観光地化していないようだ。  手漕ぎボートがあるけれど、帰路の歩く体力を残しておきたいし、この静けさを破りたくないので止めておく。
 帰路はこれから湖へ向かう多くの人々とすれ違う。賑わう前に訪れて良かった。観光立国のスイスだから、これまでのマッターホルンや氷河の展望台へはロープウェーを降りてからすぐにアクセスできたけれど、ここではかなり歩いた。でも心地よい疲れだ。


ブリエンツ湖

 次の目的地はインターラーケン。  途中のSpiez(シューピッツ)で乗り換え。トゥーン湖が見える。  スイスらしい湖で、エッシネン湖と違い開放的。
 トゥーン湖に沿って進む。列車はインターラーケン西駅が終着。東駅のほうへ歩いていると、地球の歩き方のヨーロッパ編を傍らに置いて芝生に寝転んでいる女性がいる。卒業旅行ではとてもお世話になったけれど、社会人になってからはヨーロッパ一周なんてできないから、とてもうらやましい。
 
 東駅の近くから隣のブリエンツ湖を航行する遊覧船に乗る。  快晴の空の下で、デッキの椅子に座る。 ブリエンツ湖がみえてくる。
 トゥーン湖と同様に開放的だが、周囲の山々や、立ち寄る街を眺めているとゆったりとした気分になる。1時間くらいでブリエンツに到着。

 急こう配をよじ登る有名な蒸気機関車が見える。乗ってみたいが、そろそろホテルのあるツェルマットに戻らなくてはならない時刻だ。 ここから3時間もかかる。ちょうど観光列車のゴールデンパス急行がやって来た。  ブリエンツ湖に沿う景勝ルートらしいが、ゆっくり進む船で堪能したばかりなので特に感動もない。

 ツェルマットのピッツェリアでディナー。セットを頼んだが3000円くらいになる。やはり高い。アイスクリームの味が美味しいというより印象的な味だ。ウェイトレスさんに何の味が質問したが、2回聞き返しても意味が分からない。紙に書いてもらえば良かった。